子どもの肥満

肥満は万病の元

肥満は現代病だと言われますが、確かに、最近は必要以上に太った子どもを多くみかけます。子どもの肥満は、それ自体が問題なのではなく、肥満であることによって運動の量が制限され、発育過程で必要な体力が養われないことにあります。体力がないので、当然病気にかかりやすく、回復も長引くことになります。また、大きくなるにつれてますます体を動かさなくなっていきますので、更に肥満を助長するという悪循環に陥ります。肥満による成人病体質は子ども時代にでき上がるという学説も有力です。

肥満度は病院で簡単に診断してくれます。肥満度が20パーセントを超えたら要注意、せめてそれ以上増えないように、すぐに食事の見直しを始めてください。30パーセントになったら、医師と相談しながら「治療」する段階に達しています。



肥満は親の責任

生まれつき肥満体質という子どもはいません。子どもを肥満にしてしまうのは、ほとんど100パーセント、親のせいです。脂っこい食べ物が好きな家族で、親も子どもも全員が太っているという例はたくさんあります。また、好きなだけ間食をさせたり、ポテトチップなどの太りやすいおやつばかりを与えたりするのも親の責任です。

家族で食べる食事を、和食などできるだけ脂肪の少ないものに切り替える、間食をできるだけさせないようにする、などの手段を講じましょう。テレビを見ながらの間食は、知らぬ間に食べ過ぎる原因です。



運動をさせる

ダイエットは、カロリーの入り口である食べものだけではなく、出口であるカロリー消費の両面で取り組む必要があります。運動して体力がついてくると、体の筋肉がカロリーを消費しやすい筋肉になりますので、相乗効果が出てくるのです。

ただし、肥満の子どもは運動が苦手なものです。いきなり激しい運動を強制すると、運動することの楽しさが分からず、ますます運動嫌いになってしまいます。ちょっとしたお家のお手伝いなど、軽い運動から始めて、だんだん体を動かす機会を増やしていくようにします。親と一緒にゲーム性のあるスポーツなどを楽しめるようになれば、ダイエット成功は間近です。